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管理者の時間の使い方

多くの管理者は、部下からの相談に乗ることを仕事の一部としてとらえている。 しかし、その相談に応えるには時間がかかる。持ちかけられた相談の背景を聞き取ったり、他の管理者と相談したり、様々なことに時間を費やしてからでないと決められない。管理者がすべてを把握して判断することは非効率であり難しい。


多くの管理者は、部下からの相談に乗ることを仕事の一部としてとらえている。
むしろ、それが主業務だと思っている管理者も多い。
その部下が持ち込んでくる相談に対して、多くの場合、管理者はある程度、知っている、経験があるので判断ができる。
同じ職種で階層を上がってくる管理者がほとんどだからだ。

しかし、即座に決定を下すほどには、よく知らない。
過去に経験があったとしても、状況は変わっているし、現場最前線の情報を部下よりも持つことは、難しいからだ。結果として、持ちかけられた相談の背景を聞き取ったり、他の管理者と相談したり、様々なことに時間を費やしてからでないと、何も決められない。

そこで今度は、部下にA案とB案の二つの解決策を提示するように促す。
二択なので、決定するのは簡単なように思えるが、やはり、ここで様々な局面から検討することで時間を取られる。
もし、即断できるようなA案とB案なら、そのどちらかは、検討に値しない案だ。
さらに、どちらかに決めたとしても、意見を言ったり、アドバイスをして改善を促すことになる。

作業レベルの話なら、現場の管理者がどんどん判断をしていけばよいかもしれない。しかし、顧客と対面しているような営業や何かを創造していく現場では、管理者がすべてを把握して判断することは非効率であり、難しいはずだ。

業務が以前より高度化していると、なおさら、古い経験しかない管理者は判断できない。
これを回避するための考え方が「エンパワーメント」だったと思う。
20世紀の終わりころから、ビジネス用語として定着したと記憶している。

このエンパワーメントの要諦は「人財育成」であると私は考えている。
現場で自ら判断できる部下をいかに養成することが重要だ。
現場で顧客のニーズに応じて、各自が判断する自由を与え、企業の理念を行動化できるように教育することが必要だ。

そのためには、仕事を進める技術を持っている前提で、
 ・組織としてどの様な判断基準で行動選択をするのか
 ・何をしてはならないのか
 ・達成すべき基準は何なのか
をしっかりと理解させておく必要がある。

そして、日常的に情報を共有、必要なアドバイスができるようにしておくことも
必要だろう。
一言でいえば、自走できる社員を育成すること、それが管理者の仕事を部下の仕事の判断業務から開放し、創造的な業務に時間を使う条件となる。

 

2022.3.24ジェックメールマガジンより

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