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1on1ミーティングは問いの質で変える

一時の流行りで1on1ミーティングを取り入れ、『マネジャーは定期的に実施するように!』とのお達しがあり、始めのうちは新鮮で、今までやっていない分の効果を感じていたものの、段々と時間を設定してまで話す内容がなくなる、こんなことはありませんでしょうか。


先日、あるお客様から「うちは1on1ミーティングを導入しているんだけど形骸化しているんだよね。どうすれば良いかな?」と相談されることがありました。
一時の流行りで1on1ミーティングを取り入れ、『マネジャーは定期的に実施するように!』とのお達しがあり、始めのうちは新鮮で、今までやっていない分の効果を感じていたものの、段々と時間を設定してまで話す内容がなくなる、こんなことはありませんでしょうか。

マネジャー「最近の業務の進捗はどうかな?」
部下「まぁまぁ順調に進んでいますよ。」
マネジャー「そっか。それは良かった。最近悩んでいることはないかな?」
部下「いえ。特に悩んでいることはないですね。」
マネジャー「そっか。何か変わったことはあったかな?」
部下「いえ。特に変わったことはないですね。」
マネジャー「そっか…。では何かあったらいつでも声かけてね。」

少し大げさに書きましたが近しい状況に陥っている人もいるのではないでしょうか?
このような状況に陥っていると、部下としても“余計な時間を取られた”と感じ、双方ともに1on1ミーティングが憂鬱になり、徐々に“実施しないといけないから”というのが目的になってしまいます。

すると1on1ミーティングが機能しなくなり、やるだけ時間の無駄となってしまうわけです。

そもそも皆さんは1on1ミーティングの目的をどこに置いていますか?
結局、「部下の状況を知りたい」「業務の進捗を知りたい」というマネジャー側の都合を目的にしていると、部下は心を開かず、1on1ミーティングの意義を感じなくなります。

では1on1ミーティングの目的とは一体、何でしょうか?
それは「部下の成長支援の場」です。

つまり、部下が今よりも更に成長するための支援をする時間にしていく必要があるわけです。

ではどのように支援をするのか、というとマネジャーからの具体的な問いかけによって、部下の内省を促進することです。

例えば、「日報で〇〇の件で悩んでいるのを見たけど、何をすればもっとうまくいきそうかな?」とか、「今の仕事の優先順位は何かな?そのことに対して何か支援が必要なことはあるかな?」などと、問いによって考えさせたり、振り返りを行わせたりすることで、部下が主人公になってくるわけです。

昨今、デジタル化の進歩により、欲しい情報は探しにいけば容易に手に入るようになりました。だからこそ、自分の固定観念を強化する情報に囲まれて暮らす場面が増えています。

さらにテレワークの普及により、価値観の違う方々と直接コミュニケーションを取る機会も減ったことから、益々自身の固定観念に向き合う機会が減りました。

だからこそマネジャーが問いかけることによって、部下に新たな気づきを与え、更なる成長を促す場の重要性が高まっています。

いつからでも1on1ミーティングの進め方は変えられます。

「うちの1on1ミーティングは少し形骸化しているなぁ」と感じられている方は、進め方を変えてみましょう。いくつかの“問い”を用意して。

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