組織改革

MBOとOKRの違いとは

近年、SaaS企業などでOKRという目標管理手法が注目を集めています。日本の企業で目標管理制度といえば今まではMBOが主流となっていました。本記事では改めてMBOとは何なのか、そしてOKRとは何で、結局どちらが良いのかをご紹介していきます。


目次

●MBOとは

●OKRとは

●MBOとOKRの違いとは

●仕組みを定着させるために必要なこと

●まとめ

 

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●MBOとは

ドラッカーによって1954年に著書『現代の経営』の中で初めて使われた言葉です。正しくは「Management By Objectives and Self Control」とされ、略してMBOと呼ばれています。日本語では「目標と自己管理によるマネジメント」と訳されており、日本の企業はこの「MBO」の考え方を各企業の実状に合わせて「目標管理制度」として構築し、活用しています。

一般的には期初に全社目標、部門目標を受け、各個人目標に置き換え、達成数値、達成のための行動計画を策定します。目標策定の際には、必達を求められてきます。それらを1年間追い続け期末にリーダーとメンバーが達成度合いを振りけり、評価、成長指針に活用します。日々の行動が形骸化しないためにもKPI(Key Performance Indicators:目標達成度合い)を同時に運用することが一般的です

日本の企業ではメインで活用されている目標管理制度です。

●OKRとは

インテル社(米国)が起源となっている目標管理手法のことです。正式には「Objectives and Key Results」とされ、略してOKRと呼ばれています。日本語では直訳的に「目標と主要な結果」と訳されています。普及率はまだ高くないものの大手含め多くの企業から注目を集めています。

一般的に目標は定性的なものを定めていることが求められる。ただしなぜ今その目標を達成する必要があるのか。WHYを共通認識として全社が持つことが求められる。またMBOとは違い、四半期で達成できそうなワクワクするような目標を定める。目標を定めたのち、それを実現するために主要な成果を定量的に定めていく。定量的に定める際には、6割程度の達成になるように設定します。全社のOKRを受け、各部署、個人がOKRを設定しリーダーと共有します。決定後は四半期に一回程度のペースでリーダーとメンバーで振り返り、次のOKRを設定していきます。

このようにOKRのサイクルは四半期が一般的です。企業の実態に合わせて1ヵ月ごとに更新することも考えれます。

 

●MBOとOKRの違いとは

ここまでMBOとOKRについて簡単に触れてきました。ここからはそれぞれを対比してどう違うのか、それぞれのメリットデメリットを確認していきます。

項目 MBO OKR
サイクル 1年 四半期ごと
目標達成 100%達成 60~70%達成
評価の有無 評価一体 基本評価は別軸
目標設定方法 数値のブレイクダウン 戦略のブレイクダウン
進行管理 KPIベース 対話ベース
メリット

評価一体のため、管理側の効率が良い

目標管理による行動管理ができる

掲げた目標達成の実現性が高い

一緒につくることでメンバーの関心がわかる

ワクワク目標を設定することでモチベーションが上がる

想像よりも高いパフォーマンスを発揮する場合がある

デメリット

全体理念、戦略が見えにくい場合がある

原則変更できないので、スピード感が落ちてしまう

目標必達の意識が薄れる場合がある

今まで以上のコミュニケーションが必要になる

OKRはスピード感もあり、従業員満足度にもつながる管理手法ですが、その本質を掴まないまま導入に踏み込んでしまうと形骸化してしまい意味のないものになってしまいます。導入の際にはしっかりと検討にしてからにして下さい。

●仕組みを定着させるために必要なこと

最後にMBOをするにしても、OKRをするにしても定着させることにはいくつかの注意点があります。

1,それぞれの目的を明確にし、共通認知にする。

MBOやOKRは仕組みだけ導入したところで形骸化しやすい特性を持っています。また人事だけで盛り上がっていても現場はついてきません。逆に現場だけで盛り上がっても人事や経営陣が付いてきません。全社共通で進めていく必要があります。

2,マンパワーだけに頼らない仕組みの構築

創業期など走りの段階ではマンパワーに頼らざるを得ない場面も想定されます。しかし最終的には仕組みに落としきることができなければ定着は絵にかいた餅で終わりかねません。近年では人材管理ツールなども開発されております。ツールを活用することも定着のためには必要です。

3,双方向のコミュニケーションをとる。

目的を明確にして、仕組みを導入しても定着は図れません。我々は感情を持つ生き物です。だからこそ最終的にはコミュニケーションをとっていかなければ、納得できず定着には至りません。またリーダーとメンバーが振り返りをする際にもリーダーからの一方通行のコミュニケーションになれば、目標管理のパフォーマンスを最大限に発揮することができません。

●まとめ

いかがだったでしょうか。MBO、OKR、KGI、KPIなど多くのアルファベット用語が増えてきています。新しいものは若手社員も関心度が高く良いものに映りますが、それぞれ得手不得手があります。まずは自社の状況に合わせて適切なものを選択し運用していくことが、成果創出に向けて必要になります。

 

お役立ちに満ちたよりよい社会を創るためにも貴社に合った目標管理を運用していってください!

 

 

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