マネジメント

期末の振り返りは成功法則を発見するチャンス!

評価は何のために行うのかというと、部下の良い点(褒めるポイント)を発見し、それを活かしながら、来期、より高い成果に向かって一緒に活動していく基盤を作るためだ。 次の成長のために評価をするのであって、できていないことをあげつらうためのものではない。 なぜ、この評価の観点が疎かになるのか?


弊社の管理職向け研修の中で、期末に、一年間を振り返ってどのようなことをすべきか、振り返りとはどのような意味を持つのかという設問がある。

「期中の成績を振り返り、できたこととできなかったこと、その原因をとらえ、来期にいかす」というような回答が多く出る。これはこれで正しいのだが、 意外と抜けがちなのは、「部下の評価を行う」という観点だ。

評価は何のために行うのかというと、部下の良い点(褒めるポイント)を発見し、それを活かしながら、来期、より高い成果に向かって一緒に活動していく基盤を作るためだ。

次の成長のために評価をするのであって、できていないことをあげつらうためのものではない。

なぜ、この評価の観点が疎かになるのか?

おそらく、評価制度はあるものの、期初に統合された目標は、一年後に「ああ、そうだった」と見返す程度であったり、あるいは業績数字に関してはこと細かく詰められているものの、そのプロセスにはメンバー、上司とも関心が少なく、振り返りの対象にさえなっていないからではないだろうか。

これはとてももったいないことである。

期末に際しては、上司と部下が腹を割って一年を振り返り、そのプロセスを追うことで成功要因や失敗要因、次の課題が見えてくるはずだ。

これを「期末、期初は忙しいから」と振り返りをしっかりとやらずに済ませると、せっかくの成長の機会を逸することになる。

特に「成功要因の分析」は重要だ。

なぜうまくいったのかがわかれば、それは他の分野や人にも生かすことができる。企業の発展にとっては「失敗要因の分析」よりも「成功要因の分析」がより重要な意味を持つはずである。

ドラッカーは、「予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。だが、予期せぬ成功はほとんど無視される。困ったことに存在さえ否定される」(「イノベーションと企業家精神」より)と言っている。

成功し続けるには、その予期せぬ小さな成功を発見し、伸ばすことが必要なのだ。

期末、期初は、対話のチャンスである。メンバーとの「綿密な振り返り」 という活動をせずに、この「予期せぬ成功」を発見することは難しい。

是非、部下の成長につながる対話に取り組んでもらいたい。

 

20150311 ジェックメールマガジンより

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