組織改革

チーム力を高める、最初のポイントとは

「成果を出しているマネジャー」には共通するポイントがあります。それは余裕を持っていること。当社の研修に参加した際も、ほとんど携帯電話が鳴らず、休憩時間も談笑しています。一方「思うような成果が出ていないマネジャー」はいつも忙しそうにしているように見えます。休憩時間も携帯電話を握りっぱなしで大変そうです。これこそ「チーム力」の差ではないでしょうか。


成果を出しているマネジャーの共通ポイント

私は仕事柄、多くのマネジャーの皆さんとお会いしますが、「成果を出しているマネジャー」には共通するポイントがあります。それは、いつも余裕を持っていること。当社の研修に参加した際も、ほとんど携帯電話が鳴らず、休憩時間も談笑しています。一方、「思うような成果が出ていないマネジャー」の皆さんは、いつも忙しそうにしているように見えます。休憩時間は携帯電話を握りっぱなしで、大変そうです。

この違いは何か? これこそ「チーム力」の差ではないでしょうか。
チームのメンバーが自分達で考え、工夫し、自分の意志で動いている。そして、メンバー同士が協力して一体となって行動している。このようなチーム力が高い状態でしたら、もちろんマネジャーは余裕があります。余裕のないマネジャーは、うまくチーム力を高められていないのです。


本当の「チーム」になっているか?

さて、「グループ」と「チーム」の違いはなんでしょうか? これは、ご存知の方も多いはず。一般的には以下のような違いがあります。
【グループ】単に人が集まった集合体
【チーム】目標があり、役割分担がなされている。

では、皆さんの部や課はチームとなっているでしょうか。
確かに、企業内の部や課では、通常は目標を設定することが求められます。しかし、目標が設定されているだけで「目標がある」と言い切ってもよいのでしょうか?
例えば、年度初めにマネジャーが「うちのチームの今期の目標は売り上げ3億、利益4千万、この地域でのシェアを6に伸ばす!」と発表したとして、メンバーが「そうですか、だから何なの?」というような程度で聞いていてすぐに忘れてしまったら、「目標がある」と言えるのでしょうか?

また、役割分担についても、年度初めに決めた役割をやったりやらなかったり、「めんどくさい」とつぶやくような状況では「役割分担がなされている」と言えるのでしょうか。

チーム力を高めるためには、「【チーム】とは、全員が目標に本気になり、役割分担に全力を尽くしている」くらいに考える必要がありそうです。


「目標に本気になる」ためには

では、目標に本気になってもらうためにはどうすればよいのか、基本的なポイントを挙げさせていただきます。

①目標について、何度も何度も考える
最初にチームの目標を掲げた段階で、メンバーは「売り上げ3億? 昨年度は2億しかいかなかったのに、1億も上回れるもんか!」という半信半疑の状態の人や、興味のない人もいるかもしれません。

そこで、私達マネジャーは、繰り返し目標を考える時間を設けることが必要です。会議で「目標を達成するために、今足りないことは何か考えよう!」と考える時間を設けたり、朝礼で「今、目標に対して、進捗が30%だ。今月あと、5%上げるために何が必要なんだろう?」とメンバーに問い掛けたりします。そして、これを繰り返し行うのです。

最初は「面倒だな」と感じているメンバーも、「また、目標の話? もしかして本気なのかな?」「今回も考えるのか。これは本気だぞ」と徐々に、目標が心に響いてきます。最初は、あまり意見を出さなかったメンバーも、一人また一人と意見を出すようになり、目標に対してだんだん気持ちが一つになってくるものです。

しかし、多くのマネジャーは「あまり目標、目標というと、ちょっとしつこいかな…」と遠慮してしまいがちです。特に、何度か目標の話をして「またかよ…」という顔をされると、ひるんでしまうケースが見られます。皆さんの会社の社長を見てください。何度も同じ話をしていませんか。

 

②目標をチームで揉み込む
チームの目標そのものをメンバー全員で考えるという方法もあります。会社から任された固定の目標があるのであれば、それにプラスして別の目標を考えてもよいでしょう。「自分たちで考えた目標であれば、「何とか達成したい」と本気になるケースが多いはずです。

もし、目標に何も手を付けられないのであれば、「目標を達成させるための戦略」を最初に徹底的に話し合って考えることでも、同等の効果があります。

 

「役割分担」のポイント

役割分担については、まずチームのナンバー2を明確にすることが最も重要です。マネジャーの右腕として、チームを取りまとめるナンバー2がいることが、強いチームをつくる最低限の役割分担です。

ナンバー2には、「あなたがナンバー2である」と明確に伝え、チーム運営を一緒に考えたり、リーダーシップを取らせたりします。ナンバー2があいまいだと非常にまとまりのないチームになります。

また、その他のメンバーへも必ずチーム運営に必要な役割を一つ以上は担ってもらうようにします。その上で、重要なポイントは「あなた(そのメンバー)ならではのプラスα」です。例えば、朝礼の担当が「みんな最近声が小さいから、週三回あいさつ練習をする!」とか、数字集計係が「お客様から褒められた回数を集計数字に入れる」など。
このような工夫を入れるということが、徐々に「自分で考えて、自分で工夫する」風土をつくっていきます。
まずは「目標」「役割分担」といったベースから、チーム力を高めませんか。


【チーム力を高める最初のチェックポイント】
□チームの「目標」あるいは「戦略」をメンバー全員で考えているか
□チームの目標について何度も何度も考える時間を設けているか
□メンバー全員に役割分担がなされているか
□役割について「プラスα」の工夫をさせているか
□以前に比べ、マネジャーとして余裕があるか

*この記事は株式会社ジェックの「行動人」452号より転載・加筆いたしました。

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