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パワーアップ実践講座 コミュニケーション編2 コミュニケーションの入り口

コミュニケーションの入口とは? それは相手と目を合わせることではないでしょうか。笑顔で相手としっかり視線を合わせることができたらよいのですが、つい下を向いたり視線が泳いでしまったりしてしまうことはありませんか。今回は「目の合わせ方」「視線の送り方」のポイントをご紹介します!


前回の最後に、コミュニケーションを取る相手への印象を良くする上で「どうしたら少しでも相手と目が合わせられるようになるのか」という観点で考えていただきました。目を合わせることが苦手な方には、考えることも大変だったかもしれません。
今回は「少し楽になる目の合わせ方」と「不快に思われにくい視線の送り方」について考えてみましょう。

少し楽になる目の合わせ方
【手順1】初めに図Aの目を両目でしっかり見てください。
緊張したり、目が合わせにくいと感じたりする方もいるかもしれません。もし実際に目の前にこんな表情の人がいたなら、なおさらではないでしょうか。表情が違ったとしても、目を見ることは緊張しますよね。

(図A)

怒った顔-1
【手順2】
ここからが本番です。どちらの手でも構いませんので、親指と人差し指で輪を作ってください。OKのポーズです。
【手順3】図Aの顔が、その輪の中に入るように調整しましょう。
【手順4】自分の利き目を見極めましょう。
指で輪を作った状態でどちらかの目を閉じると輪の中に顔があり、もう一方の目を閉じると、輪の中から挿入図の顔が消えると思います。輸どころか、手の位置がズレているように見えるかもしれませんね。
左目を閉じて(隠して)右目で輪の中に顔が見えた方は「利き目が右目」です。その逆で右目を閉じて(隠して)左目で橋の中に顔が見えた方は「利き目が左目」ということになります。
【手順5】手順1では両目で挿入図の顔を見ましたが、今度は次のようにして見てください。
「利き目が右目の人」→自分の両目で挿入図の右目のみを見る
「利き目が左目の人」→自分の両目で挿入図の左目のみを見る
※まっすぐ見ると違う目ですので、クロスして見ると相手の同じ目を見ることになります。

さて、いかがでしょうか。

両日を見る(正面の目をそれぞれ見る)よりも、相手の片目を見た方が緊張しにくくなりませんか?

図ではなく本当の人間でやると、目を合わすことが苦手な方はなおさらその違いを感じることができるはずです。こちらが両目で相手の片目を見ても、実際に見られている相手の人は「おまえ、片目だけ見つめるなよ!」とはならないのです。見られている人は、両目を見られているように見える方がほとんどです。どなたかと試してみてください。

ここからは推測ですが、人間は自分の血を引き継ぐためにも、周りの人に多少の警戒心を持っています。私は、自分の命を肉食動物などから守ることには敏感だったからではないかと考えています。

さて、そこで思い出してください。肉食動物、草食動物、魚類など、目の位置はどこにあるでしょうか。もちろん全てが統一ではありませんが、肉食動物は「顔の前寄り」、草食動物・魚類は「顔の横寄り」に目があることが多いのです。そこで、われわれの脳は「両目がはっきりと前にあるのが分かる動物=襲ってくる」「普段の表情から片目しか印象が残らない動物=襲ってこない」と感じられるのです。

要するに、片目だけなら相手が襲ってこないように感じるので、こちらの警戒心が薄れるのです。相手の目を見慣れている方はさほど感じませんが、初対面やクレーム時には一つの手段として活用できることでしょう。

さて、次にこちらの視線の送り方で、相手の受け止め方が変わり、コミュニケーションの良し悪しが決まる場合があります。少しでも良くなるためにも、視線の送り方を確認しましょう。当たり前の内容に思えるかもしれませんが、意識するだけで変わってきます。

不快に思われにくい視線の送り方
【手順1】二人一組になります(一人で試される方は、先ほどの図Aをご活用ください)。
【手順2】相手の方と両目を合わせてください。
【手順3】相手の方に自分の頭を見てもらってください(図Aの目が「頭」を向いているかのように傾けてください)。その際に相手の目がそれている感覚を覚えておきましょう。
【手順4】相手の方と目を合わせてください(図Aを元に戻し目を合わせてください)。
【手順5】相手の方に自分の口を見てもらってください(図Aの目が「口を向いているかのように傾けてください」。その際に相手の目がそれている感覚を覚えておきましょう。
【手順6】相手の方と目を合わせてください(図Aの目を見てください)。
これを何度か繰り返してみましょう。
さて、いかがでしたでしょうか。「頭」か「口」を相手が見ている時に「視線が外れている」ように感じなかったでしょうか。研修時にもこの手順を何度か繰り返し行いますと、見られている側の人が「視線が外れている」と違和感を感じます。
研修を受けられたみなさんは、「頭八割・口二割」で「頭」を見たときに「違和感を感じる」と回答されました。実際に会話をしながらこの実験を行うと、「口」を見ているということは、話を聴いてくれていると感じるようです。「ここで分かることは、大きく二点です。

一点目は、「頭」を見ると「視線が外れている」ように感じるため、話を聴いていない=印象が悪くなるということです。
二点目は、「目」から「口」までの間を見る分には違和感をあまり感じない=こちらを見ているので印象は悪くはないということです。

今回の内容は「百聞は一見にしかず」という言葉にもあるように、日の合わせ方や視線の持っていき方を確認しました。ぜひお試しください。


弊社「行動人453号」より転載。一部加筆しました。

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