新人

パワーアップ実践講座 コミュニケーション編3 コミュニケーションの「マミムメモ」

今回は、コミュニケーションの「マミムメモ」についてお話しします。より具体的な方法をご紹介していますので、ぜひやってみてください。それぞれの項目にはポイントと注意点があります。注意点を踏まえてトライすることで、皆さんのコミュニケーションの苦手意識を小さくしていきましょう!


前回は「目の合わせ方や視線の持っていき方」を確認しました。試されましたか?
今回は、コミュニケーションの「マミムメモ」について一緒に考えます。

コミュニケーションの「マミムメモ」
・「マ」=「マナー」&「マッチ」
・「ミ」=「ミラー」
・「ム」=「ムード」
・「メモ」=「メモ」&「メモリー」

前回同様に人間の共通の心理(100%ではないが大多数の方が感じる確率が高いもの)といわれる点を押さえて標語にしました。
それでは「マミムメモ」を一つずつ確認していきましょう。

1)「マ」=「マナー」&「マッチ」
「マナー」は皆さんご存知のように、礼儀作法であり相手に対して節度ある行動を示すことです。一般的には「心と形の一体化」であり、相手に配慮の気持ちを持って、「表情・態度・声・言葉」に表すことと捉えてください。結果として印象が良くなることがポイントです。

「マッチ」は「合わせること」です。コミュニケーションの「マッチ」では、相手と「同じ言葉に合わせる」と理解してください。
(良い例)
・相手「先週、喫茶店に行って...」
・自分「喫茶店に行ったんだ」
(良くない例)
・相手「先週、喫茶店に行って...」
・自分「カフェに行ったんだ」
「私は喫茶店には行かないし、カフェでいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、その時点で自分よがりのコミュニケーションになってしまいます。相手あってのコミュニケーションです。

ではなぜ、相手と「同じ言葉に合わせる」ことが良いのでしょうか。人は、同じ言葉を使われると、「自分の仲間では?」「話を聴いてくれている」と感じる傾向があり、警戒心が和らいだり、安心しやすくなったりするようです。生物的本能でしょうか。生きていく上で、異なるものに不安を感じることは、誰しもあるはずです。その不安を感じさせないことがコミュニケーション上達のポイントなのです。

注意事項としましては、一言一句全文を合わせると大変なことになります。相手が強調したり、何度も繰り返したりする「キーワード」は、必ず「マッチ」させましょう。ただし、相手の言葉の奥にある意味や考えをきちんと聴くことを忘れないでください。

2)「ミ」=「ミラー」
「鏡」のことです。コミュニケーションの世界では「ミラーリング」とも言います。では、何をすればよいのか。「相手と同じような動きをすること」を「ミラー」と捉えてください。まさに「鏡」に映ったかのごとくです。
4つの例を挙げてみます。
(例1)
・相手:コーヒーを飲み始めた 
・自分:少し遅れてコーヒーを飲む
(例2)
・相手:仕事がうまくいかず暗い表情で相談してきた 
・自分:大変そうだなという表情で相談に乗る
(例3)
・相手:人さし指を立て「ここのお店が一番うまいよ」
・自分:人さし指を立て「1番なんだ」
(例4)
・相手:ボールを投げるふりをしながら「息子が初めて試合に出ました」
・自分:「息子さん初めて出られたのですね!」と言いながらボールを投げるふりをし「おめでとうございます!」

ふざけているように思えるかもしれませんが、人間は似たような動きをされると安心するようです。
(例3)からは、「マッチ」&「ミラー」を織りまぜました。

注意する点は、身ぶり手ぶりばかりに意識が取られると、相手の話が入ってこないことです。また、常に同じ動きをしていたら、逆に不快感を与えてしまう恐れもあります。相手が喜怒哀楽の感情を表した時こそチャンスです。「人間は感情の動物」と言われているくらいですから。

3)「ム」=ムード
「相手と空気を合わせること」です。「ペーシング」ともいいます。空気を合わせるというのは、話すスピードや呼吸などを合わせることです。「なぜ呼吸を合わせるの?」と不思議に思う方もいるかもしれません。運動会の二人三脚を思い出してみてください。呼吸と足を出すスピードを合わせることで、二人が一体化して動けるようになります。

コミュニケーションもまさに「動き」そのものです。お互いの気持ちを合わせて動くことで、理解が深まるのです。沈黙も同様で「動かない動き」と捉えてください。
では、どのように「相手と空気を合わせる」のか。次のどちらかの方法を実践してみてください。

①人間は必ず息をしています。息をする相手の体の上部の動きを見て、同じような息をしてみましょう。全く同じように合わせるのは難しいでしょうからできる範囲で構いません。
②相手の話すスピードに合わせてみましょう。話す・聴く、両方のスピードです。急いでいるのにゆっくり、あるいはゆっくりしたいのに早口だったら、不快に感じることが多いはずです。

4)「メモ」=「メモ」&「メモリー」
「メモ」は読んで字のごとく「メモをすること」です。ただし、メモをすることが目的ではなく、あくまでも手段です。メモばかりに気がいくと、相手の話を聴いていないように見られてしまいます。単語レベルのメモを取ることを心がけましょう。

「メモリー」すなわち「記憶をすること」です。「メモ」と相反しているようにも見えますが、紙に残すか悩に残すかです。特に今回は「エピソード記憶」がポイントです。

「エピソード記憶」とは、どのような出来事が起こったのか、どんなことを体感したのかなどを記憶することです。体感ですので自然に記憶することがほとんどですが、コミュニケーション力を高める上では、誰かとコミュニケーションをした日に、「誰と何のためにどんな会話をしたのか」を、少しの時間でよいので振り返ってみましょう。記憶に残れば、次にその人に会った時に、会話が弾むようになります。


弊社「行動人455号」より転載。一部

Similar posts