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パワーアップ実践講座 営業パーソン編 会うべき人に会う~キーパーソン~

会うべき人に会って商談をしていますか? 「会える人にしか会っていない」営業活動を続けていて、果たして業績向上は望めるでしょうか? なかなか提案が進まないとお悩みの営業の皆さん必見です。今、商談・提案を進めているお客様企業で、「会うべき人」とは誰なのか、チェックしてみましょう。


日々皆さんは、お客様への提案活動に邁進されているかと思いますが、その際に「キーパーソン」をしっかり把握して商談に臨んでいらっしゃいますか?
そこで、今回は「会うべき人に会う」というテーマについて考えていきたいと思います。

会うべき人に会っているか?
先日、あるコーヒーショップで遭遇した、隣のテーブルに座っていた営業パーソン二人の会話です。
A:最近数字どう? 目標いけそう?
B:う~ん、厳しいよね。また今月も未達かな。そっちはどう?
A:人のこと言えないな。厳しいよ。今うちの課長がさ、しきりにメンバー全員に「会うべき人に会って商談しているのか? 提案の決定率が上がるようなアプローチをしないで、どうして数字が上がるんだ?」ってさ。そう言われたって、俺の商談相手は先方の広告宣伝部の窓口担当者なわけだし、会うべき相手に提案しているんだけど。
B:なるほどね。で、課長が言っている「会うべき人」って結局誰だって言っているの?
A:担当者レベルじゃなくて、もっと上の部長とか、役職のある人ってことかな。でもそのクラスの人と会うにはいろいろと働きかけをしないと無理だよね。そんな時間が逆に無駄だと思わない?
B:まあ確かにね。しょせん、商談って、相手も人間なんだし、上手くいくかいかないかは相手次第って感じだよね。自分たちは毎日現場で必死に戦っているんだから。

この二人の会話を皆さんはどう捉えますでしょうか。その通りだと思われますか?
私も過去の営業経験の中で上司から言われたことがあるのですが、Aさんは要するに「会うべき人に会っている」のではなく「会える人としか会っていない」ということなのではないでしょうか。正直、こちらの話を聴いてくれる方、アポが取りやすい方、長年お付き合いのある方など、会いやすい人、あるいは訪問しやすいお客様ばかり訪問するほうが楽ですよね。

しかし、このような営業活動を続けていて、果たして業績の向上が望めるかというと、そうではないことは言うまでもありません。

キーパーソンマップで考える
そこで、お客様の組織の中におけるキーパーソンを的確に把握し、「誰がどのような立場で、どのような立ち位置にいるのか」を分析したうえで、それぞれに適切なアプローチを行っていくことが大切となります。
図Ⅰをご覧ください。

キーパーソンマップと名付けていますが、縦軸はその組織の中で「影響力」が強いか弱いか、横軸は「決定権」が強いか弱いかを表しています。

大きく4つに分けるとしたならば、皆さんが担当されているお客様組織の中で、誰がどの位置に当てはまるでしょうか?
また、今会っている方はどの位置の方でしょうか?
一度分析をして、実際にその方のお名前を記載してみてください。

キーパーソンマップ

当然ながら、最終的にはの方にお会いしなければ決まるものも決まらないでしょうし、お役に立てることにつながりません。一方で、他の位置にいらっしゃる方に対してもお会いして、最も効果効率の上がるアプローチをして商談を進めていくことが必要になってきます。
特に、に位置する方は「味方」につけておく必要があります。決定権は弱いですが影響力の強い方ですので。したがって日頃から密にコミュニケーションを取り、予め相談をするなどの働きかけが有効といえます。逆に、に位置する方に対しては、その方にとってのメリットを訴求して、より影響力をお持ちの方に働きかけをしてもらう、一方でその方の面子を潰すような事態は避けるなど、リスクの排除という視点でもみておく必要があるでしょう。

一言で「キーパーソン」と言っても、マップを活用して事前に把握しておくことで、どのような働きかけが必要なのか、何を準備すべきかが明確になるはずです。
ぜひ一度担当されているお客様を想定して活用してみてください。

【あなたの商談相手・チェックリスト】
□アポがとりやすい・行きやすい・話を聞いてくれそうなお客様への訪問に偏りがちである。
□日頃から商談相手以外(例えばその方の上司や他部門の方等)の人と話をするケースが少ない。
□目先の商談に目が活きがちで、そのお客様を取り巻く人脈などにそもそも興味が持てていない。
※ここにチェックが入った方は、キーパーソンマップを活用して、商談の成功確率を上げていく働きかけをしていきましょう!

*この記事は弊社行動人466号より転載一部加筆いたしました。

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