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パワーアップ実践講座 新人編 適職だと自分で思わない限り、いくら探し回っても適職は見つからない

新人から「今の仕事は希望していたものじゃないから、一応頑張ってはいるけれど、自分に合っていると思えないのでどうしようか考えている」と退職をほのめかす相談を受けたら、あなたはどうアドバイスしますか? 今回はそんな悩める先輩の相談から「適職」について考えます。


新入社員から相談を受けた先輩からのお悩みです。少しお話ししてみましょう。

大久保:私はある製造業に勤めて3年目の大久保と申します。
先日、新卒入社の後輩の三好から、『実は、今の仕事って入社時に希望していた部署じゃないんですよね。ですから、一応頑張ってはいるんですけど、どうしてもやる気がわいてこなくて。実際自分に合っているとも思えませんし。一年たつ前にどうしようか考えているんです』と、退職をほのめかす相談を受けました。
格好つけて『適職だとまず自分で思わない限り、いくら探し回っても適職なんて見つかるものではない。だから頑張れ!』なんてアドバイスをしましたが、いざ自分のことを考えると、本当にそうなのかわからなくなってきました。私自身も今の仕事が自分にとって適職なのか、実際はよくわかっていなかったんです。
私のアドバイスは正しかったのでしょうか?

―大久保さん、悩んでしまったみたいですね。そもそも希望の職種に就けない、配属先が思い描いていたものとは違ったというお話はよく聞きますし、望んで就いた仕事でも、何かをキッカケに自信を失い、間違っていたのではないか、と悩む方も少なくありません。
大久保さん、「適職だとまず自分で思わない限り、いくら探し回っても見つかるものではない」ということについて、あらためてどうお考えですか?

大久保:そうですね。言ってはみたもののやはり不安です。また「適職だ」と思えるまで、仕事を変えるのも、今の時代はありなんじゃないかとも思います。

―そうですね。今はたくさんの情報が得られますから、多くの門戸も開かれているでしょう。

適職かどうか考えて仕事している?
―では、大久保さんの今後についても真剣に考えてみませんか? 

大久保:ありがとうございます。私自身の考えとしては、そもそも適職かどうかなんてわからないことなので、考えないでおきたいんです。

―判断しかねるということですね。では、もし仕事でネガティブなことがたくさん起こった時、「適職である」と「適職ではない」のどちらの判断に傾くことになりそうですか?

大久保:適職じゃなさそうだな、と思うようになるかもしれませんね

―そうですね。状況に任せていた場合、ネガティブな判断に引きずられてしまいそうですよね

大久保:でしたら、逆にポジティブなことが起きた時に「適職だ」と思えればいいのではないですか?

―それはそうですね。適職だと思っているのであれば大丈夫ですね

大久保:そうか。ネガティブなことが起きた時に「適職じゃない」って判断していることが多いようです。まだ自信はないけど、「適職だ」って考えておこうかな…

―それはいいことです。もし、適職だと決めていた場合、うれしいことが起きたらどうなります?

大久保:「やっぱり適職だったんだ!」ってなりますね

―では「適職だ」と決めていた場合、嫌なことが起きたらどうでしょうか?

大久保:「適職じゃなかった」となる…

―それじゃ元の木阿弥ですよ。今まで何を話し合ってきたんでしたっけ?

大久保:???

「適職だ」と決めるのは自分
―「適職だ」ということは決めてしまって、これは変えない。ここが大事です。しかしながら、どうしてもネガティブなことは起こる。その時、適職だと思っていたとしたら、どう反応しますか?

大久保:そうですね。それも対応しなくちゃいけない自分の仕事の一つ。乗り越えるにはどうすればいいか、なんて考えるかもしれませんね

―ポジティブですね!その調子で、問題に正面から立ち向かって解決したらどうでしょうか。何度も問題にぶつかるかもしれませんが…

大久保:でも、それを通して人問として大きく成長するんじゃないでしょうか

―きっとそうでしょう!ではあらためて大久保さんに伺います。成長して問題をいくつも乗り越える自分と、それを避けてしまう自分。新しいチャレンジをする時に成功する確率が高いのはどちらですか?

大久保:それは成長した自分です

―どちらの人生を選びたいです?

大久保:もちろん成功しそうな方!

―そうですよね。では「適職だ」と決めるのと「適職じゃない」と決めるのとはどっちを選びます?

大久保:それはもう「適職だ」です!…なんかうまく乗せられたような気がしないでもないけど。

―もし不安に思ったら、このやり取りをもう一度読み直してみるといいですね。なぜ「適職だ」と思う方が良いかを思い出せますから

大久保:いろいろ話して思ったんですが、「適職かどうかを判断するのは自分」ということでしょうか?

―そうです。判断しているのは自分です。ということは、どのような仕事に就いたとしても自分が「適職だ」と判断しない限り、適職にはなり得ないということです。
しかも、適職かどうかの考えを他人任せにしていると、ネガティブなことが起きた時に「結局自分には向いていなかった」という結論になりかねないんですね。
そして、「適職だ」と考えてさまざまなことに正面からぶつかって、自分を成長させることが大切です。すると周りから認められて、さらに大きな仕事ができるようになれば、もっと前進できる。これが仕事の原則なんですね

大久保:わかりました!三好にも同じように話してみます。私自身すっきりしたので今度は自信を持ってアドバイスできそうです。ありがとうございました

《チェックしてみましょう》
大久保さんとのやり取りを読み、どのように感じましたか?
□仕事は自分の好きなことだけできるのであれば頑張ることができる。
□今の自分の力ではうまくいきそうにないので、この仕事は自分には合っていない。
□活躍している人は皆、運良く適職にたどり着いた人だ。
□昔から憧れていた仕事でなければ頑張る意味はないと感じる。
□しょせん、自分らしく仕事をするなんてことは、組織では無理な話だ。
□「この仕事はあなたに合っていますよ」と先生(親・知人)に言われたが、あれは嘘だったと思う。
□楽しそうに仕事をしている同僚は、自分に合った仕事に出会えていてうらやましい。
□しょせん、社会には自分に合った仕事などないと思う。

チェックが多い方は、試しに「今の仕事は自分に適職だ!」と思って、正面からぶつかってみてください。乗り越えたときに少しでも変化を感じることと思います。

弊社「行動人446号」より転載。一部加筆しました。

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