プロによる感動レベルのサービス
プロ野球の試合で、九回裏・ツーアウトから逆転サヨナラ満塁ホームランで勝利するといった出来事が起こると、観客は予想をはるかに超えた結果やプレーに感動し、心に深く刻み込まれます。さらに、そのチームや選手のファンや、プロ野球そのもののファンが増えたりもします。
サービスエンジニアのサービス活動においても、ここ一番の対応でお客様の予想を超えた結果や仕事ぶりが、お客様の心に感動を与え、お客様企業内で伝説の出来事となっていることも少なくありません。
サービスエンジニアも、プロとしてマシンのメンテナンスサービスを通して、お客様が感動するサービスに挑戦する必要があります。
感動提供の要素
私たちが感動レベルのサービス提供に努め、お客様の期待を良い意味で裏切り、感動を呼び起こせるかどうかは、お客様の認識のレベルや価値観にも左右されます。
しかし、その業界や商品のサービスにおいて、お客様に感動を与えるサービス行動には共通の要素が感じ取れます。
お客様に感動を与えるサービスエンジニアの具体的行動の中で、お客様を感動させている要素には次のようなものが挙げられます。
①お客様情報の把握度の高さ
（お客様：私たちのことをここまでよく理解してくれていたとは驚いた！）
②突発事故への対応スピード
（お客様：私たちの一大事に早く対処してくれて本当に助かった！）
③提案やアドバイスの質と結果
（お客様：私たちの問題を最も良い方法で解決に導いてくれた。さすがプロだ！）
④ワンストップ対応
（お客様：当初とは違う要望にも、私たちの身になって気軽に対応してくれた！）
⑤目主的なサービス行動の追加
（お客様：私たちのことを考えて、巡回に来てくれ、清掃までしてくれた！）
感動提供は、お客様の期待と提供したサービスの関係で決まります。従って、個々のケースにおいて行うサービスの質や量に対する的確な判断が求められます。
そこで、プロのサービスエンジニアとして、感動提供のための取り組み項目を整理してみましょう。※ステップアップ演習シートをダウンロードして実践してみましょう。
＊演習１＊
サービス行動の質を高めるために、お客様に感動を与えるサービスはどのようなものがあるでしょうか。いくつか書き出してみましょう。
＊演習２＊
演習1で書き出した項目の中から、先に挙げた「感動提供の要素」の５項目を参考にして、今後取り組んでみたいものを３つ選んでください。「感動提供の要素」の５項目のどれに該当するかも確認してみましょう。
＊演習３＊
演習２で選択した３つの行動と、その行動の感動提供の要素を踏まえて「どのようなレベルを目指して、日々何をするのか」を記入してください。日々実践してみましょう。
基本スタンスとして
今回は、お客様が感動するサービスに挑戦していくことを目的に、お客様の予想を超えたサービスを行う場面の理解や感動に値するサービス行動の準備について考えました。
お客様の価値観も多様化し、高度化しており、常にサービス行動を進化させていくことが求められます。
専門技術と対人技術（お客様対応のスキル）の両方を発揮して、お客様の問題解決を図り、ファン客を創造する「個別対応ファン客創造型のスタンス」で、お客様に向き合っていきましょう。
＊ビジネス演習室 サービス編 ステップアップ演習シート「感動を与えるサービス」
弊社「行動人440号」より転載。一部加筆しました。