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ビジネス演習室 営業編 自社PR力を磨き商談をコントロールする

新規のお客様を初めて訪問する時など、お客様との関係性が薄い場合、相手の心には警戒心があります。それがスムーズなコミュニケーションを大いに阻害します。そこでアプローチの段階での「第一印象」「自社PR」「用件の切り出し」が重要となってきます。今回は短時間でわかりやすい「自社PR」についてお話しします!※演習シート付


営業力強化コースの研修を担当していると、毎回いくつかの共通する現象に出合います。
その中でも、お客様へのアプローチを学ぶロールプレイングで自社PRをしっかりできず、商談の序盤から相手の否定的な反応や質問に振り回されてしまい、その時点で商談をコントロールできなくなってしまうケースが多くみられます。

自社PRの効果を侮るな

新規のお客様を初めて訪問する時など、お客様との関係性が薄い場合、相手の心には主に3つの警戒心が居座っており、それがスムーズなコミュニケーションを大いに阻害します。
3つの警戒心とは、「①どこの」「②誰だ」「③何しに来たんだ」というもの。このうち②は第一印象で、③は用件を切り出すことによって解決しますが、残る①の「どこの」は自社PRによってぬぐい去ります。

にもかかわらず、非常に多くの営業パーソンが自社PRをおざなりにするのはなぜなのでしょうか。その要因となる考え方(行動理論)をいくつか挙げてみましょう。
「うちの会社のことは相手もわかっている」
「うちは自社PRするほどの会社じゃない」
「伝えるのは商品であって会社じゃない」
「買うか買わないかはお客様次第」
等ではないでしょうか。

いずれも相手の立場に立ったコミュニケーションとは正反対の考え方(行動理論)であり、営業のプロとしては恥ずかしいといわざるを得ません。

営業で成果を上げようと思ったら、あいさつに続く自社PRでお客様に「いい会社だな」、「期待できそうだな」と好意を持っていただき、まずはこの後に続く商談をしっかりコントロールする足場を固めておきたいものです。

効果的な自社PRのポイント

そこでまず、効果的な自社PRの組み立て方を押さえておきましょう。
1)何をしている(事業内容)
2)どれくらいの(歴史、売り上げや従業員数などの規模)
3)どんな(方針やモットーなどの特徴)
会社なのか、という点です。
相手が興味を持ちそうな順番を意識して組み立てましょう。

次に所要時間ですが、基本は30秒、長くても1分とみておくべきです。なぜなら、この段階ではまだ用件を伝えていないからです。お客様が自社PRを長く感じ始めると、「一体、何の用なのだろう」という疑念がふくらみ、警戒心へと発展して商談がコントロールしづらくなってしまうのです。

お客様の反応は…
・自社PRなし:何の用かしらないけど、買わないよ
・とってつけた自社PR:ふうん、だから何なの?
・長い自社PR:サッサとしてくれないかなあ
・魅力的な自社PR:面白そうだ、用件を聞いてみたいな

 

短時間にわかりやすく、魅力的に自社をPRするために、目指せ!自社PRの達人のワークシート」を使った演習で自社PRの達人を目指してください。

《アドバイス》
*一度身につければ1年間は有効です。ただし会社の方針変更などと連動し、年に1回くらいは内容を更新しましょう。
*練習で30秒以内でも、本番では1.5~2倍くらいの時間がかかります。
*新規商談や初対面の場合はもちろんのこと、得意先など顔なじみを訪問する場合でも自社PRは有効です。新鮮味を感じてもらえるだけでなく、相手は意外とこちらのことを知らないものです。


※この記事は弊社行動人440号より転載・一部加筆いたしました。

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