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ビジネス演習室 新人編 あなたの仕事は何をすることですか?

人は「良いところ」よりも「悪いところ」が気になりやすいものです。意識的に「良いところ」を見ようとしないと、気付かないうちにマイナスシャワーの影響をうけてしまいがちです。入社後のがむしゃらな期間を過ぎ、少し冷静に周りが見えるようになってきたころの新人にとって、社内外にマイナスシャワーの危険は潜んでいます。


あなたをむしばむ否定的な意識
「マイナスシャワー」という言葉をご存知でしょうか。
よく営業の世界で使われる言葉で、「自社の商品やサービスに対してお客様から否定的なことを言われ続けたために、本来の価値が見えなくなり、自信を失ってしまう」状況です。
例えば、「お宅の商品は値段が...」、「他社にも同じようなものがあるよね」、「以前お宅の商品を使ったらトラブルが起きたよ」などなど。

うれしい言葉ばかり開ければよいのですが、現実はそう甘くはありません。「うちのは、モノの割には高いよな」「他と変わりがないし...」そしてふと気が付くと、自分でも自社の商品やサービスに自信が持てなくなっているのです。
しかもそのままだと、さらに悪いことに「本来ある価値までもが見えなくなる」という恐れがあります。いつの間にかネガティブな感情が心に染み付き、自社の商品やサービスが本来持っている良い面が見えなくなってしまうのです。

社内からも浴びる。「マイナスシャワー」
皆さんは厳しい就職活動を乗り越え、期待と不安を抱きながら入社の日を迎えたことと思います。人社当初は「元気良くあいさつをして印象を良くしよう」、「わからないことは聞いてみよう」と、前向きに社会人としての生活をスタートさせたのではないでしょうか。

しかし入社二年目の方々を中心にした研修を担当すると、「こちらがあいさつしたってちゃんと返ってこない」、「社内で話をする人なんていない。雰囲気も良くない」、「先輩を見てもあまり前向きじゃない」と、人社直後の熱意はどこかへ行ってしまい、聞こえてくるのは不安や不満ばかりです。

マイナスの感情を一どうやって克服するか
人間はどちらかというと、「良いところ」よりも「悪いところ」が気になりやすいものです。ですから、意識的に「良いところ」を見ようとしないと、気付かないうちにマイナスシャワーの餌食になってしまいます。
なぜ、この時期にこんな話をしているのかというと、ほとんどの方が新人として入社したてのころは、がむしゃらにさまざまなことを吸収します。良いも悪いもなく、どんどん自分の中に取り込んでいきます。

ところが、そのがむしゃらな期間を過ぎ、少し冷静に周りが見えるようになってきたころに、「マイナスシャワー」の危険は潜んでいます。社会人として自信が付いてきた今だからこそ、気を付けてほしい時期なのです。

マイナスの感情に負けないためには、どうすればよいのでしょうか。プラスの面から見た事実を自分の武器としましょう。

1.プラス点をまとめよう。
 ①この会社に入って良かったこと
 ②この職場で働いていて良かったこと
 ③この職場で活かせている自分の強み
 ④お客様・上司・先輩に褒められたこと、喜んでもらったこと
 ⑤自社が社会に役立っている点
2.上記のプラス点から考える「自分の仕事とは何か」をまとめてみよう。
3.2でまとめたものを気のおけない友人や家族に堂々と話してみよう。
4.3で伝えた皆さんの感想を聞こう。

マイナスの面からばかり物事を見るのではなく、プラスの面から見る習慣を身に付ければ、きっと毎日の仕事が見違えるほど楽しくなるでしょう。
友人から「何の仕事をしているの?」と聞かれたとき、「私の仕事はこれ!」と胸を張って言える皆さんは、きっと輝いて見えるはずです。

弊社「行動人441号」より転載(一部加筆)

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