マネジメント

ミスがあった時に、してはいけない2つのこと

仕事でミスをしてしまうことはある。ミスによって発生した問題に対しては報告を求め、改善策を講し、本人に注意を促す。これは間違いではない。だが、現場が委縮するような対処では、結果としてかえって大きなミスの遠因を作り出すことにもなりかねない。


同じ姓なのだが、読みが違う、というようなことがたまにある。
例えば、「茂木」という姓は、「もてぎ」と濁ったり「もてき」と濁らずに読むこともある。「長田」は、「ながた」とも「おさだ」とも読まれる。

金融機関など「正確を期す業務」では、この読みの違いでデータの入力ができなくなることもあるらしい。そんな現場で聞いた話なのだが、
・監査を強化
・間違った人に罰則
等の施策を取ったそうだ。

何か問題が起こると、それに対して報告を求め、改善策を講ずる。本人に注意を促す。間違いではない。

だが、現場が委縮するような手を打つのは、たいていの場合、改善効果より副作用の方が大きくなる。職場の士気も業務効率も下がり、取り組むべき根本的な問題に手を打てず、結果として大きなミスの遠因を作り出すことにもなりかねない。

下手をすると、ミスを隠ぺいする風土を作ってしまう。ミスが起きた時、やってはいけないことは、次の二点だと思う。
・ミスした人を責める、ミスの原因を人に求める。
・ミスする人の行動の拠り所をつかまないまま、対応策を作る。

所詮、仕事にミスはつきもの。そこをどう乗り越えて人と組織を成長させるか、ミスが生じず効率も上がる良い仕組みをどう作るか、ミスが生じたとしても、リカバリーできるセーフティネットをどのように用意するか、そこに着目する必要がある。

まず、仕組みだが、上記氏名の読みの例でいえば、私たちが目にするたいていの書類でフリガナをつける欄は異常に狭い。字が小さいから、読み間違える。
この欄を広げるだけで、ミスは減る。もちろん、デジタル化も有効だ。
また、本人以外がフリガナをつけると、これまた間違う元になる。フリガナを書くのも本人にすべきだ。

「ミスをしてしまう人の行動の拠り所」は、スピード重視だったり、次の人がカバーしてくれるだろうという思い込みだったり、様々なものがある。
ここは、「こういう時は、誰に確認するか」といった基本ルールを徹底させることがポイントになる。若手の社員に多いが、ミスをした時に上長が「この間も言ったよね」的な発言をしてしまうと、その後はもう何も聞いてこなくなる。
「ミスが怖い」の前に、「その人が怖い」を作ってしまったら、おしまいだ。

何よりも重要なのは、ミスが報告される風土を作ること。ミスが報告されなくなれば、仕事の改善も進まない。
そのためにも、日頃から職場内の良好な人間関係をつくっておくことが重要になる。

ジェックメールマガジン2021/11/11より

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