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信頼関係を築く「対話」

あるマンションデベロッパーの役員の方にインタビューより。 「大事にしてほしいのは、対話。これは、お客様とも社員と販売員の間でも必要。対話を経て、お客様とも従業員とも信頼関係が生まれる」 「対話力」を考える。


先日、あるマンションデベロッパーの役員の方にインタビューをした。
目的は、現場の販売担当者のアセスメントを行うために、「あるべき姿」をお聞きし、形にすることだ。

しかし、その役員はインタビューの冒頭で、
「今日は、むしろアドバイスが欲しい。私たちは、自分の会社、せいぜい、同業界しか見えていない。私たちのマンションの営業はどのように皆さんの目に映っているのか、あるいは映るべきなのかを聞きたい」
とおっしゃった。

その事に感銘をうけながらも、どのような販売員が好ましいのか、自社の理念を体現している状態とは何かを聞き取らないと、アセスメントはできない。

結局、インタビューが30分位を経たころ、
「大事にしてほしいのは、対話。これは、お客様とも社員と販売員の間でも必要。対話を経て、お客様とも従業員とも信頼関係が生まれる」
という旨意が得られた。

「会話」ではなく、「対話」という言葉を使われたところに、役員の方のこだわり、重視しているポイントがあると分かった。

対話には「共感」や「理解」、「納得」、「満足」といったものが伴う。
関係性を築くという意味合いでは、「会話」ではなく、まさしく「対話」がふさわしい。

「対話力」を行動語で表すと、
「相手の話したことを別の表現で言い換えられる」(理解)、
「うなづき等、共感を示す動作がある」(共感)、
「そうなんですよ等、こちらが話したことが理解された反応がある」(納得)
といったことになろう。

アセスメントでは、そういった言動を判断基準に「対話」ができているかを見ることになる。

そして、役員インタビューでは、お客様との信頼関係を築く接客ができれば、結果的に売上につながるとのことだったが、その考えは役員だけではなかった。
トップ成績の販売員にインタビューすると、
「クロージングはしたことがない。相談に乗っているうちに、買っていただける」
と話していた。

「とにかく詰める」、「早い段階で買うか、買わないかを見極める」と話す販売員が多い中、「誠実に対応した後、決めるのはお客様」という考え方で売上を伸ばしている販売員に共感をもったインタビューだった。

2022.4.21ジェックメールマガジンより

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