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分析!オンライン商談の特性 その可能性を考えてみる

皆さんは「オンライン商談」と「対面商談」をどのように使い分けていますか? 今回は「オンライン商談」の特性を、お客様サイド、営業サイドで分析し、その可能性について考えてみました。


◆「オンライン商談の特性」を分析

《お客様サイド》
①お客様は「情報収集(買う買わないの手前)」としてオンライン商談を使う可能性がある。
わざわざ人に出向いて来られると気が重いが、「オンラインでの情報提供ですのでお気軽に」というニュアンスであれば、間口が広がる可能性がある。新規顧客、既存顧客いずれも同様の心理はあるだろう。ただしサイトで集められる程度の情報提供ではまずいことは言うまでもない。


②お客様は会議室を予約する必要がない(場合がある)。
対面商談には「物理的な場」が必要だ。これが意外と面倒で、往々にして「会議室がいっぱいで予約できない」ということもある。「いざとなれば背景をぼかして、自席でも」となればいっそう間口は広がる。


③オンライン商談の時間はほぼほぼ60分という慣習ができつつある。お客様は次の予定を60分後に組んでいる場合が多い。

④オンライン商談は「事務的打ち合わせ」「何かを意見交換する」どちらにも実は向いている。
ジェックは研修やコンサルティングを事業としているが、後者には向かないのではないかと思われていたオンライン研修が実はそうではない、ということがわかってきた。
十分に意見交換ができる。資料の準備、プレゼンの順序、話し手の表情等の技術は必要だが、ある程度の関係性ができていればどちらもできる。
 
《営業サイド》
①往復の時間と交通費が節約できる。
これが実は莫大である。大変な営業生産性の向上を狙える。コロナ禍でオンラインとなり、コロナ前より実績が上がっている営業パーソンはここを要因として挙げている。「お客様に会えない」という話をよく聞くが、同じ環境で実績を伸ばしている営業パーソンはいる。


②今見てほしい資料をコントロールできる。
紙の資料を渡してしまうと、パラパラとページをめくられてしまうことも少なくないが、「画面共有」という手段の登場で、この悩みは激減した。


③お互いに細かな表情、言葉のニュアンスを受け取りづらく、対面商談と同一に考えていては、人間関係構築がしづらい。ここは大きく考え方とやり方を変える必要がある。


◆「対面商談の特性」についても考えてみよう

①お互いに細かな表情や、言葉のニュアンスを受け取りやすい。
状況によって「補足説明を付け加えたり」「急遽ご質問がないか聞いたり」できる
ので、様々な誤解が少なくなり、人間関係構築につながりやすい。

②紙の資料を使う場合、お客様はメモを取りやすい。

③世間話がしやすい。
これも人間関係構築に寄与するだろう。

④商談時間が60分を超えることが、お客様に容認されやすい。


◆以上の特性を考えると

【1】 オンライン商談は「買う買わない」手前の「情報提供を通じた、関係づくり」として使う、という考え方がある。低コストで、ある程度の関係構築と顧客の意向の把握ができる。
その際に重要なのはその一回目面談の「締めくくり」だろう。オンライン商談はご承知の通り人間関係づくりに向いていると言えない面があるので、何回かの情報提供を通じて人間関係を築いていくという長期戦を覚悟することだ。
POINT→面談中に何らかの宿題を必ずもらえるようにいくつかの仮説を事前に作っておくことが大事である。「会えば何とかなる」は「ない」のだ。周到な準備をし、仮説をもってお客様にヒアリングすることで「よく勉強しているな」とか「ウチの課題をわかっているな」という印象をもっていただける。これが次回につながるのである。

「オンライン商談はうまくいかない」と、オンライン商談の特性に起因するかのごとく言われがちだが、実は事前準備に原因はある。
POINT→もしも宿題をもらえないようであれば「また来月〇〇という企画が出るので、ご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」等でイエスをとっておきたい。

【2】オンライン商談はまた、顧客とのパイプを太くし、さらにパイプの延伸を図る可能性を秘めた場であると考えることができる。
ある程度の信頼関係ができていれば、意見交換の場ともなるということをお伝えしたが、そうであれば信頼関係のできている既存のお客様から他部門のお客様をご紹介いただき、オンライン商談を依頼できる。

「〇〇について、□□部様にも情報提供させていただき、ご意見を伺いたい」という用件だ。ある程度の信頼関係があれば、同じ会社の他部門だけでなくグループ企業の担当者との面談を引き出すことも可能だろう。他部門の担当者様とは面識がなくても、「オンラインでの情報提供なら」という心理は引き出しやすい


オンラインはまさに「離れ技」。どんな離れ技ができるのか、まだまだ可能性を秘めた場である。ただし自分の表情、PC操作スキル、商談展開の作戦を周到に準備しておくことが必要である。

 

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