新人

役割が違う指導員とメンター

新人を育成するにあたり、「指導員」であるとか「ブラザー・シスター」(この呼称は、早晩、なくなりますね)、 「OJTリーダー」「エルダーリーダー」等、様々な呼称で「指導する人」を任命することがある。 これら「新人指導員」の役割は、新人を職場になじませつつ、仕事、業務そのものを教えることにある。


新人を育成するにあたり、「指導員」であるとか「ブラザー・シスター」(この呼称は、早晩、なくなりますね)、「OJTリーダー」「エルダーリーダー」等、様々な呼称で「指導する人」を任命することがある。

これら「新人指導員」の役割は、新人を職場になじませつつ、仕事、業務そのものを教えることにある。
比較的年齢の近い指導員が、仕事を教えるのは効果的に見える。
・しっかりと理解していないと教えられないので、指導員の復習の機会になる
・新人の頃の自分自身の苦労した点なども考慮しつつ、教えられる
・現場最前線で一緒に活動し、仕事に関する周辺の情報提供もできる

一方で、次のようなケースも散見される。
1)新人を下働きのように「雑務」に使う
2)職場の不平不満を新人と指導員で共有してしまう
3)教えることが属人的で、新人にうまく伝わらない
4)上下関係がうまれ、新人が気軽に意見を言いにくい
これらは、きちんとした指導員研修と職場全体での指導体制をつくることでほぼカバーできる。

が、さらに一歩進めて、新人育成のために、メンターを任命する企業もある。
たまに指導員とメンターを混同、同一視している企業も見かけるが、指導員とメンターは、新人に対する接し方が全く違うので、別の人にすべきだと考える。
上記で言えば、2)や4)をカバーすることができるのがメンターだ。
・指導員=仕事、業務を教える人
・メンター=相談に乗る人

1964年に経営コンサルタントのR.R.ブレイクとJ.S.ムートンによって提唱された『マネジリアル・グリッド理論』は、リーダーシップの行動スタイルを「人間に対する関心」「業績に対する関心」という2軸で表し、典型的な5つのリーダーシップスタイルを1.1型~9.9型に分類した。

これを援用するなら、「仕事(業績)に対する関心」を指導員が、「人間(関係)に対する関心」をメンターが引き受ける。
もちろん、仕事の指導の現場では両方、必要だ。
どちらの比重が大きいかだ。

メンターは、相談者の立場なので、新入社員の心に寄り添うことが必要だ。
そこで、公平、中立的に話を聞ける人をあてる。年齢、職能、部門等は関係ない。
メンターの導入を「離職の防止」の観点から考える企業も多い。
しかし、それ以上に「個を活かすことができる」と考えるべきだと思う。

個性のある存在をどう生かすか、通常は、今ある仕事の枠でしか現場では捉えられない。
メンターを置くことで、新人の強みをより引き出し、業務に当たらせることができれば、現場からのイノベーションにもつながるに違いない。
下手に「今の枠」にはまってしまう前に、個を引き出せるのがメンターの良さではないだろうか。

20210610ジェックメールマガジンより

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