ある営業担当者の例をご紹介します。その人は、新規受注の新しい取り組みに対して社内が協力してくれないため、成果が出ずに悩んでいました。
しかし、設計に依頼すると、「その納期では無理です」と非常に冷めた対応です。「このお客様に入り込めば、これからも継続的に受注ができるのだから」と説得しても、「優先順位があるから無理だ」の一点張り。予定を聞くと、社内の勉強会が入っていたりするようです。そんなことは後にすれば良いことです。昔から、うちの会社は社内的に営業の立場が弱いのです。何度もこのようなことがあります。
きっかけは相手を知ることがスタートだった!
そのきっかけは、社内の飲み会でたまたま設計担当者と隣の席になり、酒の力もあり、日頃の不満をぶつけたそうです。
その設計担当者の対応が良かったのでしょう。しっかりと受け止めてくれた後、設計の業務の流れや、何を優先していて、何が大変なのかを丁寧に教えてくれました。
それを聞いて、「設計はそんなに大変なんだ…。その人数でそれだけの業務をやっているのか…」とがくぜんとしたそうです。
そして、今度はその設計の方にも営業現場を知ってもらおうと思い、営業現場に一日同行してもらったところ、設計担当者は、「営業は、こんな大変なのか…」となり、お互いさまだったということが分かったそうです。
それ以降、お互いがそれぞれの業務で忙しいことは間違いないという認識をしっかりと持ち、依頼する際は相手の業務を聞くなど、お互いの業務状況を確認するようになりました。
さらに、依頼する上で、「何か私ができることはないか」という会話ができるような関係に発展したそうです。
今でもぶつかることも多々あるそうですが、以前とは全く違う認識で、働き掛けることができているとのことです。社内からは、「何でお前の依頼は、そんなにスムーズに進むのだ!」と言われるほどだそうです。
その方いわく、「全ては、相手を知ることがスタートだった」と。
人を動かす第一歩は相手を知ることです。相手を知り、心を掴み、適切な手段を考えて動かしていく。『知って』、『つかんで』、『動かす』のステップです。
お客様を動かす営業力があれば、社内は動かせる
困難や壁にぶつかったとき、その脱出法、解決策を考えていく際に、人は成長していくことは間違いありません。お客様を動かす営業力があれば大丈夫!
大事なことは、『受注のためなら、社内は協力してくれるもの』ではなく、『受注のために、自ら適切に動けば、社内は協力してくれるもの』まず、動かす相手を知ってください!