「お役所仕事」というと、規則・手続き・機械的といった言葉を連想する。
それは、「住民に対するサービス精神の欠如」ということ。
それではいけない、ということで民間企業に派遣して研修を受けさせるということを行っている自治体もみかける。
しかし、これは「対岸の火事」ではなく、企業においても「他山の石」とすべき事柄だ。
一般的に、工場や間接部門で働いている人達には、お客様との直接的な接触がない場合が多いため、「顧客第一主義」などという言葉も、頭では理解しても、態度や行動で日常業務に表わすことがなかなかできない。
ドラッカーは「業績こそが企業における唯一の動力である」と指摘している。
これは、言葉を換えれば、「顧客こそが、企業を生かしめてくれる最も頼みとすべき守護神」ということだ。
この意味を従業員が深く悟れば、おのずと意識や行動は変化するだろう。
経営者が心を砕くべき最大の関心事が、ここにあると言ってもよい。
では、どうすれば効率的にこの意識を浸透させることができるかというと答えは簡単で、「顧客に接近する機会を与える」ことが一番の解決策となる。
言葉ではお客様の本当のありがたさをわからせることは不可能に近いが、直接的にお客様と向き合う機会をつくることによって、それが可能となる。
具体的な方法は、各社の事情によって異なるが、例えばいずれにせよ、顧客の存在がいかに自分の生活にかかわっているかを、できるだけ直接的な体験を通じて実感させるように真剣に工夫することは、予想を超える収穫をもたらすことだろう。
20140820 ジェックメールマガジンより