毎年当社で2千人以上の新入社員教育を担当させていただいている。
担当する際は、その企業のトップや人事担当者が、次のようなことをどう考えているのか、念頭に置いている。
第一は、「人材」というものをどう考えているのか?「人材」については、時代や社会の変化により、求められる内容が変わってくることは当然のことだ。
採用基準のモノサシも、その時代に応じた企業戦略の変化に合わせて変わってくるものではある。
とはいえ、自社の理念や方針を基にするということに変わりはない。
各社とも、「自社の求める人物像」に沿って、採用活動を行っているはずだ。
ところが、新入社員研修を担当すると、明確な採用基準があるはずなのに、とにかく人数だけ集めたような企業や、その会社の求める人物像から明らかにずれた新人を採用している企業をまれに見かける。
おそらく、採用担当者も苦労して説明会で母数を集め、採用予定人数というノルマを達成すべく努力する中で、ちょっと無理をしてしまったのだろう。
あるいは、昔ながらの付き合いの中から仕方なく縁故採用をしたのかもしれない。
そうすると、ますます重要になるのが、「新人教育の中心テーマ」である。
知識に偏重した新人教育をする会社はずいぶん減ったし、新人教育を疎かにする企業もあまり見かけなくなった。
今後、より問われるのは、「自社の求める人物」を育成する体系になっているかどうかということだろう。
すなわち、「人格教育」が求められているはずだ。
それには「モラル」「躾」「正しい生き方」「人生に対する基本の心構え」「社会人、組織人としての基本的な考え方」などの内容が、新人教育の中心テーマとならなければならない。
20141112 ジェックメールマガジンより