「新型コロナウイルス感染拡大を受けて事業内容や体制」について全国の主要100社アンケートが朝日新聞に掲載されていた。(2020年6月27日14版 朝刊1・7面)
その中で、テレワークの課題として、一番多かったのは(複数回答)「機器やシステムの不足」(54社)だったが、二番目が「社内コミュニケーションの希薄化」(53社)だ。
確かに、オンライン会議は頻繁に行われるようになったが、それは公式なコミュニケーションで、それ以外の何気ないコミュニケーションはどうしても減ってしまう。
記事でも旭化成の小堀秀毅社長は、「対面なら、会議中に誰かが言ったことをヒントにアイデアが広がるが、オンラインでは形式的な議論になりがちだ」と言っている。
在宅勤務が始まってからの働き方で感じている不満は、まさしく、「コミュニケーション不足」と、ある種の「あそびのなさ」だ。
「あそび」といっても、仕事中に遊ぼうというのではない。
仕事の中の余白といえばよいだろうか、人との無駄かもしれない接点(挨拶を交わす程度から、ちょっとした雑談まで)や、移動時間といったものが非常に少なくなってしまったため、一つの業務が終わったら、次、次と業務に取り組んでしまう。
「間」というものがなくなってしまっていることにストレスを感じる。
顧客を訪問することもないので、電車やバスにも乗らない。
以前は、電車での移動中は本や新聞を読んでいたが、それもできない。
新聞は、朝のうちの読み切り、本は休日にまとめて読むようになってきた。
ちょっとしたコミュニケーションに関しては、ほとんどなくなった。
職場で仕事をしていれば、仕事の会話でも多少の冗談は言うだろうし、相づちも打つ。
目の前に座っていれば、仕事に関しても、仕事以外でも何らかの会話はする。
オンラインでは、余談や無駄話はゼロとは言わないが、かなり少ない。
また、お昼を同じ場所で食べていれば、雑談の中に有意義な会話もある。
お茶を淹れに行けば、そこにいる人と、なんらかの会話を交わす。
社内での、一見、無駄と思える会話が、帰属意識や承認欲求、社内の不満や疑問の解消、仕事のアイデアの創出等に影響していたことを今、感じている。
さらには、例え出社しても、会議室のようなところで、多人数で一緒にランチを食べる、ということもなくなっている。
出社しようがしまいが、ランチでの会話は、ほぼないのだ。
このように、お互いに知り合うということが非常に少なくなっている。
強みや弱み、癖、傾向、興味関心ごと等、その人となりが分からないまま仕事をしている感じがする。
この積み重ねは、共助の関係を失うような気がしてならない。
ではどうやって「社内コミュニケーションの希薄化」をカバーすればよいのか?
テレビでは、オンラインランチ会をやっている企業も紹介されていた(NHK 「サラメシ シーズン10(7)」)。
オンライン飲み会も増えてきている。
オンラインであっても、社内コミュニケーションをとる努力はできるのだ。
「あそび」に関しては、定期的な「休憩」が必要だと感じる。
仕事から離れる時間を10分程度、午前午後に意識して取るのはどうだろう。
20200709 ジェックメールマガジンより