新型コロナウイルスの影響により、人と人の接点が大幅に減り、従来のマネジメントの術が通用しなくなってきています。
それにも関わらず、従来のマネジメントの考え方、やり方を変えることができず、「なんだか最近、部下がよそよそしくなっているなぁ」、「部下にやる気を感じないなぁ…」と、部下に責任を転嫁し、自身を正当化してしまう方も中にはいらっしゃるかもしれません。
上下の信頼関係が構築できている間柄であれば、多少コミュニケーションが取りづらい場面であっても意思疎通は図れ、相手が言わんとしていることがわかり、業務が円滑に進むのではないでしょうか。
そこで、ご存じの方も多いかと思いますが、かの徳川家康が家来(部下)に対して大将としてどうあるべきかを言葉として残した“大将の戒め”についてご紹介いたします。
大将というものは
敬われているようでその実家来に
絶えず落ち度を探られているものだ
恐れられているようで侮られ
親しまれているようで疎んじられ
好かれているようで憎まれているものじゃ
大将というものは
絶えず勉強せねばならぬし
礼儀もわきまえねばならぬ
よい家来を持とうと思うなら
わが食を減らしても
家来にひもじい思いをさせてはならぬ
自分ひとりでは何も出きぬ
これが三十二年間つくづく
思い知らされた家康が経験ぞ
家来というものは
禄でつないでならず、機嫌をとってはならず、
遠ざけてはならず、近づけてはならず、
怒らせてはならず、油断させてはならぬものだ
「ではどうすればよいので」
家来は惚れさせねばならぬものよ
結論、「家来は惚れさせねばならぬものよ」と締めくくっておりますが、これがいわゆる「家来観(家来をどう捉えているか)」ですね。
そして惚れさせるためには、禄(お金)でつないでならず、機嫌をとってはならず、遠ざけてはならず、近づけてはならず、怒らせてはならず、油断させてはならぬものなのだ という家康自身の価値観が表れております。
それらを実現するために、大将としては“絶えず勉強せねばならぬし 礼儀もわきまえねばならぬ”といい、組織を引っ張るリーダーとしての成長と礼儀がいかに大切かを説いています。
皆様は日々、リーダーとして自身を成長させるための勉強をされていますか。
今の世の中、勉強をしようと思えばインターネットでも情報が溢れていますし、関連する本も多数出版されています。
部下に惚れさせるため、人間的な成長を図るため、今一度、自身の勉強に向き合う姿勢や日々の礼儀作法を見直してみてはいかがでしょうか。