組織改革

IT化はDXの端緒に過ぎない

今、仕事の在り方を変えていく、その「変わり方」を表す代表的な方向が、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」だろう。 DXは、ITを単なる業務効率化の道具ではなく、社会や企業を変革するための手段として活用し、根本からその在り方を変えようというものだと理解している。


今、仕事の在り方を変えていく、その「変わり方」を表す代表的な方向が、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」だろう。
DXは、ITを単なる業務効率化の道具ではなく、社会や企業を変革するための手段として活用し、根本からその在り方を変えようというものだと私は理解している。

従って、単にIT機器やソフトウェアを導入して「業務を効率化」という程度のことはDXへの端緒であったとしても、DXそのものではない。
従来のやり方を機械化、自動化、プロセスの革新を行うだけではなく、仕事、業務、商売のやり方そのものが変わるのがDXだろう。

多くの企業でこのDXを導入、活用しようという気運はあるのだろうが、様々な障害から、進まないことも多いと思われる。
弊社でも、DXを活用して業務の変革を起こそうと、若手メンバーを中心に、少しずつ色々な実験を始めている。
現時点では、業務プロセスの革新がテーマにはなっているが、そこに留まらず、さらに進めて欲しいと思っている。
しかし、社内でDXを推進しようとすると、いくつかの阻害要因があるように感じる。

1)人の問題(基礎スキル、活用意識等)
連絡やスケジュール調整には、チャットや共有スケジュール等の手段はあるのだが、日常の連絡に未だに「電話」を最初に選択する人がいる。
メールで来た連絡に電話でレスポンスし、会議のスケジュール調整をしようとする。

2)これまでの仕組みとの整合性、二重管理
弊社では、過去のスケジュール管理システムも動いている関係で、一部のメンバーは、複数種類のスケジュールを見ないと予定が確定できない。
これが、1)を許してしまっている理由にもなる。

3)労働集約型産業ゆえの効率化の限界
弊社は、そもそもが労働集約型産業だ。
知識集約型と言いたいが、研修やコンサルティングの担当日数により、売り上げの殆どが決まる労働集約型そのものである。
その中で「仕事の工程の一部をDX化した」というのは、実はIT化の域を出ていない。
労働集約型からどう変わるのか、逆に労働集約型をどう生かすのか、そのイメージが今の段階ではまだないように感じる。

いずれにせよ、根本から変えなければならないのは、「人の意識」ではないか。
仕事のやり方が変わろうとしているのに、未だに古い基盤にしがみついているのは、自滅に他ならない。

20210513 ジェックメールマガジンより

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