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パワーアップ実践講座 コミュニケーション編1 コミュニケーションを知る

「コミュニケーションは苦手」という方は少なくないでしょう。特に、仕事におけるコミュニケーションは、社内・社外問わず、仲の良い友達との会話とは違い、好き嫌い関係なく接していかなくてはいけないことがほとんどです。このシリーズでは、コミュニケーションの苦手意識を少しでも克服していただきたくポイントをご紹介します。


「人と接するのが苦手です」「自分が言っていることが伝わらないんです」「早口を直したいのですが」「質問内容が浮かばなくて...」など、研修やコンサルティングの現場で、コミュニケーションに関する悩みをお伺いすることがよくあります。

人生において誰とも接触せず生きることはできないため、「できることなら少しでも、コミュニケーションを取れるようになりたい」と考える方は多いのではないでしょうか。

私自身も以前、うまくコミュニケーションを取ることばかり考え、相手の立場を考えずに会話を進めて、自己満足していたこともありました。今でも「コミュニケーションは難しい」「状況によって工夫しないと」と考えることが多々あります。どんな状況でも完璧にコミュニケーションを取ることができる人がいるなら、私自身もお金を多少払ってもその人から学んでマスターしたいくらいです。
このシリーズでは、一般的なコミュニケーションのポイントや私の持論を含めて、コミュニケーションへの苦手意識を少しでも克服していただきたいと思っております。今回は、コミュニケーションそのものについて考えてまいります。

コミュニケーションとは?
コミュニケーションの語源は諸説ありますが、ラテン語の「コムニシス」もしくは「コムニカチオ=共有する・分かち合う・共感する」から来ているといわれています。この単語を分解すると、「文化の交流」のために、村と村の道を「舗装(通行可能に)する」という意味も含まれるようです。

また、コミュニケーションの取り方に関しては、男性と女性では脳幹の太さが違い、男性は左脳を多く、女性は両脳を使ってコミュニケーションを取るという説もあります。
そのため、男性は左脳特有の空間把握や数値の分析が得意で、目標や成果の達成、問題解決などのコミュニケーションを取り、女性は両脳を使えるため、問題解決を創造的に行い、感情面に働き掛けることが多く、人間関係を良好にするコミュニケーションを取りがちだそうです。

つまりはこういうこと
さて、コミュニケーションの知識はさておき、「分かち合う・共感する」ためにどのようなコミュニケーションを取ればよいのでしょうか。

基本的には、「分かち合う・共感する」ために、言語を使い「伝える」「聴く」ことが、コミュニケーションの手段です。
ついつい、言語(バーバル)コミュニケーションばかりに目が行きがちですが、非言語(ノンバーバル)コミュニケーションの方が、記憶に残りやすいことはご存知でしょうか。
特に相手に対しての「好意」や「反感」を伝える際には「メラビアンの法則」というものがあります。「好意の合計=表情による好意55%+声による好意38%+言語による好意7%」という式です。非言語コミュニケーションのみで93%を占めることになります(こちらは好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションに関する実験からの数値のため、話し手が好意や反感について触れていない場合は、当てはまらないようです)。

また、「百聞は一見にしかず」「目は口ほどにものを言う」ということわざもあるくらい、非言語コミュニケーションは「分かち合う・共感する」上で、大きな割合を占めるといえるのです。

企業人となり、コミュニケーションについて考えるようになってからではありますが、ポスター、絵画・音楽、スポーツ、建物、風景、乗り物、動物、料理、沈黙、人間の行動全て、匂い、フェロモン等々、挙げればキリがないですが、コミュニケーションの手段は数多くあると言っても過言ではありません。フェロモンだけは何ともできませんが...。

前述の公式やことわざが当てはまるなら、言語コミュニケーションにて、口で伝えること、口で質問することも大切ですが、視界に入ることを意識していくことが必要不可欠です。つまり「印象を良くする」ことが、コミュニケーション上達の第一歩になるのです。

そうはいっても...
ただ、そうはいってもコミュニケーションが苦手な方にとってみると、「手法はあるのは分かったけど、できるかどうか不安」という感覚にもなるかもしれません。今までも苦労されながら、挑戦してきた方も多いかと存じます。
その一方で、「このままだと、コミュニケーションがなかなか改善できない状況が続いてしまう...」「何とかほんの少しでもよいから改善したい」という想いもあるのではないでしょうか。

特に、仕事におけるコミュニケーションは、社内・社外問わず「①人間関係の構築」「②成果の達成」の両方が求められます。仲の良い友達との会話とは違い、好き嫌い関係なく接していかなくてはいけないことがほとんどです。
となりますと、好き嫌い関係なく「対人関係」を良くするためには、人間が持っているといわれている「共通の心理」を押さえてコミュニケーションを取ることが、コミュニケーション力UPにつながるのではないでしょうか。

人間は誰しも「警戒心」を持っています。(これは持論ですが、先祖の血を受け継いでいるため、「肉食動物に襲われていた時代のイメージが、胸に引き継がれているのでは」と考えています。)子孫を残すために、自らを防御することも、なされてきたことでしょう。「襲われたら、どうしよう」「群れから外されたら、どうしよう」といった「警戒心」が無意識のうちに、時によっては意識的に働くのです。
次回は、この「警戒心」を払しょくし、コミュニケーションの良いスタートを切るためにも、誰もが少しでも「印象を良くする」ための考え方・行い方を解説いたします。

それでは次回までに、「印象を良くする」ために、何をしたらよいのか、以下の観点で考えてみましょう。


【考えてみよう】
相手の「警戒心」を払しょくすることも大切ですが、その前に、自分自身が「相手と目を合わせるのが苦手」という方も多いのではないでしょうか。どうしたら、少しでも目が合わせられるようになるのか、何点か考えてみましょう。


弊社「行動人452号」より転載。一部加筆しました。

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