組織改革

組織改革を成功させる育成

ジョブ型の採用だけでなく、組織全体を見渡せるゼネラリストの育成


ある会社の事業部で組織変革のプロジェクトを立ち上げた。
弊社でその支援をすることになり、部門幹部クラスのインタビューを行なった。

別部門からの事前情報では、硬直した組織で人事異動も少なく、長くその事業に携わっている人が多い、製品も差別化できず、その製品では老舗だから何とかシェアを維持しているということだった。

インタビューでは、
・部門の理想像は?
・現状はどうなっているか?
・自部門のコアな強みは何か?
・理想像に向かうための手は何か?
・それに対して、今、何をしているか?
といったことを聞いた。

何も考えていない管理者だと、現状は答えられても、理想像を持っていない、強みは答えられても手段が出てこない、といったことになる。
しかし、今回、部門幹部のほとんどの方がこれらのことに答えてくださった。

インタビューが終わって気付いたことは、弊社に支援を依頼してくださった部門トップは、改革の手を打つために、あちこちから、すでに精鋭を集めていたということだ。

それはどういうことかというと、開発、製造、販売のそれぞれに、意図して他の事業部から来た人がいたり、叩き上げの新任部課長がいたり。
万端、準備はできているところに、お手伝いに入ることになっていたのだ。
別部門からの事前情報を良い意味で裏切る結果だった。

そして、このインタビューで気付いたことがある。
社内ローテーションの重要性だ。
昨年、開発部長に就任した人は、若い頃に技術営業の経験がある。さらに管理部門に移り、10年ほど前から今の開発の仕事に携わり、そこで部長になる。
新任の商品企画・管理の課長は、海外営業、海外での企画、代理店営業等を担当。

このように、改革に必要な視点や経験はローテーション人事から得られていることがよくわかった。

それは、
・営業、特約店、開発などの関係者の立場が分かる
・他の組織への働きかけ方を知っている
・広い視野で自部門の課題を発見できる
といったことだ。
改めて人事ローテーションの重要性を感じることができたインタビューだった。

ジョブ型の採用もよいが、組織全体を見渡せるゼネラリストの育成も怠っては
ならないということだ。

 

2021/9/16ジェックメールマガジンより

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