当たり前のことだが、仕事にやりがいを感じてくれる社員が多いほうが、企業にとってありがたいことは間違いない。
そのために、企業は様々な福利厚生や評価制度、適度な人事ローテーションなどの制度(もちろん、給与制度も)を通じて、メンバーの働く意欲、やりがい創造を図ろうとしている。
最近では、社員旅行や運動会を復活させたり、社員食堂を充実(時には無料に)させたり、一時、なくなっていった制度、仕組みを復活させたりするところも多いと聞く。
では、それらの様々な制度のうち、いったい何が最も効果が高いのだろうか。
厚生労働省が実施した「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」(平成26年)という調査がある。
この中で『企業の行う雇用管理制度と「働きがい」「働きやすさ」の関係』という項目があり、ここで書かれていることをまとめると、下記のすべての項目を実施されている方が、やりがいを感じる従業員が多いらしい。
・評価処遇・配置に関する制度
(評価のフィードバックや定期的なジョブローテーション等)・人材育成制度(研修への参加やTQM等)・業務管理・組織管理(従業員の意見の吸い上げや仕事の説明等)・福利厚生(安全管理に関する研修や法定外の健康診断等)
まとめとして、この報告書では、『「働きがい」は「自分の意見や希望が受け入れられる」「自分の仕事の意義や重要性に対して説明がなされる」といった「自己効力感」が充足されるような雇用管理がなされた場合に高まる傾向』があるという。
正直、当たり前すぎて、脱力しそうだが、この調査が行われている背景には、これらのことが(できているつもりで)できていない企業が多いということがあるのだと思う。
ただ、これらのことさえできれば、従業員はやりがいを感じるのだろうか?
これは推察ではあるが、これらのことができている企業は、その他のことでも従業員に対する動機づけ要因の施策や、働きやすい環境づくりなど、配慮施策が行き届いているのではないだろうか?
マネジメント風土や組織文化が良いからこそ、これらの制度やしくみが整い、機能するのであろう。
売り手市場といわれる採用活動のなか、「うちはノー残業です」というのを、売りにしている企業も多いと聞く。
ただ、学生からすれば「どこもそう言っている」と感じるそうで、「実際に働いている人に会って、その会社が好きでいきいきと働いているかどうかで、その会社が良いかどうかを判断する」のだそうだ。
多様な人材を採用している以上、多様な人事制度、対応策が必要だ。
それらの見直しも行いながら、わが社のマネジメント風土や組織文化を、点検する必要があるだろう。
20170405 ジェックメールマガジンより転載しました。