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共感マネジメント

リモートでの仕事も多くなり、メンバーには主体的・自律的に働くことが求められるようになった。メンバーが、仕事を通して何を感じているか(喜怒哀楽)、新しく得た知見にはどんなものがあるか、それがそのメンバーや所属する組織にとってどんな価値があるかを語り合い、共感する。それがメンバーを動機付けることにつながる。


人材の指導・育成は、管理者の主要な役割の一つだ。
指導・育成によって、部下の能力を引き上げ、モチベーションを高め、全体の業績をあげることができる。人の成長なくして業績の向上はない。

そこには、管理者のメンバーに対する「共感力」が重要になってきていると感じる。
なぜか。

仕事のやり方、進め方が決まっているのであれば、仕事を教えるティーチングや仕事をやらせきる業務管理(指導的要素を発揮すること)が重要だった。
管理者もその業務に精通しているので、教えやすい。マニュアル化も可能で、求める成果も明確で管理しやすい。

業務が複雑になるにつれ、管理者よりメンバーの方が仕事そのものに精通し、メンバーに仕事を任せることが多くなってくる。
こうなると、「メンバーの支援」が重要になり、コーチングや傾聴によって問題解決に導くこと(育成)が重要になった。

そして、リモートでの仕事も多くなり、これまで以上にメンバーに主体的、自律的に働くことを求めるようになったきた。特に高いパフォーマンスを出すメンバーほど、自ら仕事に対するモチベーションを高め、問題を解決する。
極めて自律的に動くようになる。
このようなメンバーには、コーチングも必要だろうが、それ以上に「共感」が重要になるのだ。

つまり、自律的に働くメンバーは、仕事を通して何を感じているか(喜怒哀楽)、新しく得た知見にはどんなものがあるか、それがそのメンバーにとって、そして所属する組織にとってどんな価値があるのかということを語り合い、共感する。そのことによってメンバーを動機付け、仕事の方向を示すことができるようになる。

仕事で得られるものは多いが、ある種の幸福感を「共感」によって感じられるようになることができる。それがチームに拡がれば、そのチームのモチベーションは高まり、相互のつながりもより強くなる。
結果として、それが業績に現れる。

共感することは、人間に備わった生来の力だ。
人が喜んでいれば、一緒になって喜ぶ、悲しんでいれば、慰めるといったことは、私生活ではやっていること。
今の時代、仕事という側面においても、その力をより発揮することが、これからの管理者に求められているということだろう。

 

ジェックメールマガジン 2022/6/23より

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